手のひらのしわ(皺)とパーキンソン病
脳と手のひらは密接に関係していることは、ペンフィールドのホムンクルすで証明された事実です。
手のひらに鍼を刺して治療する高麗手指鍼専門鍼灸師の私は、多くの手のひらを見てきました。
そして診てきました。
高麗手指鍼の論文発表会で聞かれることは、せいぜい手のひらが斑になっているところは血流が阻害されているぐらいのことです。
それは腰痛肩こり治療だけしかやってないことの限界だからです。
過去私の治療院では、何名かの脳神経疾患の患者さんを診ました。
手のひら先生スタイルでも「進行性核上麻痺」になると残念ながら力及ばずでしたが。
手のひらには多くの皺が出来ています。
これが脳神経疾患の場合如実に症状との関係が現れると分かりました。
進行性核上麻痺のような重症度が極限に近い疾患になると、手のひらの皺が全くなくなってしまいます。
不気味なほどのっぺらとした手のひらを見たときは本当に驚きでした。
ご存知のように脳には無数のひだがあります。
大脳皮質のしわですが、以前はそのしわが深ければ深いほど知能が高いと言われたものでした。
昨年NHK番組で「アインシュタインの脳」が世界中の研究者に送られていたことが分かりました。天才の脳がいかにして作られたのか、世界中の学者たちも関心が深かったことを知らしめました。
しかし何回か放映されたシリーズでしたが、しわについては語られることはなかったと記憶しています。
パーキンソン病は上記の病気のほどの重症度は高くないのでしょう、手のひらのしわが極端に減るようなことはありません。
私の妹もパーキンソン病でしたが、手のひらのしわが顕著に減っていたようには見えませんでした。
しかし他のパーキンソン患者さんを見た時、やはりほんのかすか微妙な感じですが、シワの深さが浅くなっているかな?と感じられました。
ただ進行性核上麻痺もパーキンソン病も、大脳皮質と関係するよりも大脳辺縁系と脳幹が侵される疾患です。
進行性核上麻痺は大脳基底核 脳幹 小脳 視床下核 に関係し パーキンソン病は大脳基底核 中脳黒質に関係する疾患です。
同じような脳神経箇所が侵されるのですが、手のひらのしわに現れる現象は大きく異なります。
手のひらのしわと大脳皮質のしわと関係しているのか?
これはこれからの研究によるのでしょうが、進行性核上麻痺患者は当院に来られたときは相当進行しており、手足の麻痺は当然あり加えて意識も無い状態になっています。
つまり大脳の下の病気が、即ち大脳辺縁系と脳幹の病気が、進行して大脳まで影響してくるかいなか、そこが大きな違いになって予後の差になっているのかも知れません。
そして脳全体と手のひらのしわとが連携する結果にもなっているのでしょう。
進行性核上麻痺は初期にパーキンソン病と間違われたりして、病名診断がかなり遅れるようです。ですから当院に来られた時はかなり進行して仕舞っていました。それで手のひらのしわが殆どなかったのでしょう。
パーキンソン病の場合は治療が行われていくと、このしわが徐々に深くなって来ることで、患者さんが回復しているか否か診断できます。パーキンソン病のほうが比較して、軽い病気とこの点では判断できます。
おそらく脳のシワと手のシワは関係していることでしょう。
重症になる進行性核上麻痺になると、意識がどんどんなくなって来るのは、大脳皮質まで侵されることで手のひらに影響が出るのかも知れません。
ところでふと「手相」占いと手のひらとを考えてみました。
占いと東洋医学はその考え方に、易経が取り入れられていることで、全く関係ないということはないので少々考えてみました。
島田秀平さんというお笑いから手相の占い師に転身した方がいます。
度々テレビで見ることがあります。特に新年になると各局テレビやラジオで、手相占いにふれることが多くなります。
それを見ながら「手のひら先生スタイル」では脳神経の地図を手のひらに描いていますので、これを見比べて見たらどうなるのかを考えました。
感情線 生命線 運命線 頭脳戦 などが描かれています。
ところが手相ではこれら手のシワは変化するそうなのです。
また足りなければ自分で修正して書いてしまっても良いそうなのです。
これは少々置いといて。
手のひらには脳神経のツボを描くことが出来ます。
それは手のひらが脳と密接に関係しているからというだけでなく、手のひらは人間の進化とともに脳も進化してきたことを表しているのです。
それはフェーズ・ワン・ツー・スリーに分けて描かれます。(ご注意:これは手のひら先生スタイルだけのことです)
脳も脳幹・大脳辺縁系・大脳皮質と進化に伴い、積み上げられて来た構造になっています。
したがって各部分に対応し効果的に治療をするなら、そのツボに鍼を刺さねばなりません。
この観点から感情線・生命線・頭脳戦・運命線 と手のひらに描かれる脳神経とを比較しました。
が、残念!ほとんど関係ありませんでした。
もう一つ木星丘や土星丘などという見方もありますが、これも手のひらスタイルとは関係がありません。
結論として手相と手のひらの脳の地図とは関係がないという結論に至りました。
さて、脳神経疾患と対応する現象で一般的に知られているのは、表情がや顔つきが変わってしまうことでしょう。
無表情になるのは脳の活動が衰えてくるからと思います。
特に顔つきがかわる目に光がなくなるなどは、脳の働きが弱くなるからです。
患者さんが良くなるときは必ず目の周りに緊張感が出て、目がキラキラ輝き始めます。
これは目の裏にある視床の血流が良くなってきたからと、私はかんがえています。
ネットから引用しますが「視床(ししょう)は、間脳の一部を占める部位です。 嗅覚を除き、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ中継する重要な機能を司ります」とあるように重要な役割を担っているのです。
脳の血流を改善することそれが脳疾患を治す第一番に重要なことです。
それによって表情もまた第二の脳と言われる手のひらの表情も、シワが増えて豊かになってくるのです。
手相との関係は「?」でしたが、まず毎日の脳の健康を保つには、毎日日課として手のひら全体を熱くなるまで、3分間のマッサージをしてください。