パーキンソン病の鍼治療 脳神経のツボ
我が妹のパーキンソン病はほぼ完治になりました。
まだほんの少しだけ右手が震えていますが、他人には気が付かないほどです。
本人ももう全く気にならなくなったと言っています。
布団などを天日に干すときも、握力もしっかりとしていて、問題なく家事をこなしています。
この震えは大脳基底核の下にある、視床下核が酸素不足から発振し、それが腕を震わせ血流の改善を促す動作になるのです。
このツボを決めるのには少々問題がありました。
5枚あるツボを決める試料から、顕微鏡でのぞいたりオーリングテストで検証したりと、様々に試行錯誤をしながら決めました。
全体を俯瞰してその位置も妥当か否か最終的に決定するのですが、それが微妙にずれていることが分かりました。
今回はそのずれを修正したツボを使っての治療でした。
治療中直後は通常の反応と同じで、震えも治まっていました。
今回違っていたのはその状態が持続したということです。
いつも使っていたところよりたった1ミリ横であった、そんな微妙な距離でも大きな効果の差が出ました。
手のひらを脳に見立てると、精緻な脳構造に対応するようにツボを決定しないと、目的の効果を得ることができません。
今回改めて実感しました。
身体のツボが時々に移ると言われるのと比べると、雲泥の差ですが逆に言えばそれだけ緻密さが要求されます。
学生時代山下先生のセミナーか、なんかの書籍で読んだのか次のようなことを記憶しています。
弟子「先生ツボの位置が違っているのじゃないですか?」
柳谷素霊「馬鹿者、よく患者の身体を見ろ!体が前回から変わってきているのだ」
先生がツボを落として弟子がそこにお灸をすえるという、出張治療が行われていたそうです。
前回の治療の結果体が動いた、すなわち変形した体が正常になり始めたので、それに伴ってツボも移動するということでした。
ツボは骨度法と言って身体の長さを基準にして決められます。
骨が動くのではなく筋肉が動くことによって変形した骨組が動きます。
そこでツボの位置もずれていくというわけです。
手のひらはそのようなことが無く、最初から決まった位置にあります。
それだけツボ取りは簡単ですが、厳密さが要求されます。
それと脳神経のツボは体のツボと重なるところが多いのですが、微妙にずれるところもあり難しさがあります。